おまがりねこに会いに行く

わぁ!ねこちゃん!!可愛かね

にゃー。
そこにいたのは
しっぽが、くるんとまがったねこ

いろんなしっぽの仲間がいるにゃ。
尾曲猫ってよばれとるとよ。
くるんと丸まっていたり、途中で折れていたり。
でもそれは、けして“まがってしまった”わけじゃない。
🔍尾曲猫の特徴
- 「尾が曲がっている/短い」猫のこと。
- しっぽが「くるん」「ボンボン状」「折れたよう」になってることが多い。
- 生まれつきの遺伝で、とくに日本や東南アジアに多い。
🐾 長崎の町を歩いていると、けっこうな確率で尾曲猫に出会う。
「あの子も」「この子も」って、気づいたら尾曲猫だらけ!!
🧭なんで長崎に多いの?
- 港町・交易都市だった長崎は、海外との接点が多かった。
- 東南アジアなどから尾曲猫が渡ってきた説も。

船の穀物を狙うネズミを撃退してたにゃ!!
📝 ある種、“長崎らしさ”をしっぽに宿している猫たちなのかもしれない。
- おまがりねこって長崎外の人からは、意外と知られてない呼び名だけど、方言のようなあたたかさがあって好き。
✨しあわせを引っかけてくれる猫たち
- 船乗りのあいだでは、「しっぽが曲がった猫=幸運のお守り」として大切にされてきた。
曲がったしっぽに、
人の想いも、願いも、
そっとひっかけて、
何ごともなかったように歩いていく。
それが、尾曲猫。

幸運の女神なのね🐱
3. 🌸さくらカットって、なに?
街でみかけた尾曲ねこを
よく見ると片方がVの字に切れていた。
それは、誰かにケガをさせられたわけじゃない。
**「もう、この子は避妊・去勢手術が終わってますよ」**というサイン。
地域猫のしるしとして、日本全国で広がっている「さくらカット」だ。
🌸さくらカットとは?
- 猫の耳先を桜の花びらのようにV字にカットすること。
- 手術済みの地域猫であることが一目でわかるようにするための目印。
- 麻酔中に行うため、痛みはなく安全に施される。
🐾 メス猫は右耳、オス猫は左耳がカットされるのが基本。
🐱地域猫って?
- 飼い主のいない猫に、地域全体で関わる考え方。
- ごはんをあげたり、清潔に保ったり、過剰に増えないようTNR活動(捕獲・不妊手術・元に戻す)を行う。
- 「野良猫」ではなく、「地域で見守る猫」。
🧼排泄物や騒音の問題もあるから、ルールを守って共生していく取り組み。
🌸さくらカットの猫に出会ったら
- その子は、誰かに守られてここにいる。
- 見えないところで、手をかけてくれた人がいる。
- そして、町の人に認められて、ここで生きていいよって言われた猫。
だからもし、耳に小さなカットがあったら、
「あなたは、愛されてきたんだね」って心の中で伝えてみてほしい。
ある日、坂道を歩いていたら、
一匹の猫がふらりと現れた。
片耳にはさくらカット。
しっぽは、くるんと不思議なかたち。
そして、こちらを一度だけ見て、
静かに坂を登っていった。

にゃん
——きっと、あの子が「ハテナねこ」。
ながさきのことしってる猫。
4. 🐾猫に出会える、まち歩き
街のどこかに、猫がいる。
そんな気配がするだけで、歩く速度がすこしゆっくりになる。
📍長崎の猫道、あちこちに
月見茶屋の石畳を歩いていたら、
屋根の上に、すでに“その子”はいた。
日向ぼっこをしながら、こちらをチラッ。
気づいてたのか、偶然だったのか。
グラバー園の坂道をおりる途中、
観光客がいない裏道に、ぴょこんと飛び出すシルエット。
お土産を買い忘れたことなんか、どうでもよくなる瞬間。
🐈⬛猫には、名前がいくつもある
あの子は、
私には「あくびん」と呼ばれてたけど、
近所のおばあちゃんには「みーちゃん」だったらしい。
そして、ある小学生たちは「ないない」と呼んでいた。
たぶん、ひとりにひとつずつ、名前をくれるのが猫のやり方。
🐾路地裏で、ふいに出会う
観光ルートじゃない道。
壁に手をつきながら降りるような細い坂道。
そんなところに限って、猫は堂々といる。
こっちは地図を見ながら迷っているのに、
あの子たちは迷いがない。
🌙出会えるかどうかは、運しだい
猫たちは、
だれにも媚びず、
だれにも支配されず、
それでも、町と一緒に生きている。
今日、出会えるかはわからない。
でも、出会えたなら──
その町を、ちょっとだけ好きになれる気がする。
🐱あくびん🐱
実は、私は猫がちょっと苦手だった。
でも、あくびん は、ちがった。
茶色いしま模様のちいさな子猫。
娘が生まれた頃、ふらりとうちの周りに現れて。
あくびをする姿が、なんだか間の抜けてて可愛くて。
娘が「この子、あくびん!」と名前をつけた。
それから、あくびんはいつも近くにいた。
帰り道にはスリスリよってきた。
ちいさな娘はあくびんに夢中。
私が餌をあげたことは一度もない。
けれど、ちゃんとわかってるみたいに、
ときどき屋根の上からこちらを見ていた。
「あくびん」と呼んでいたのは、うちだけじゃない。
「ミケ」や「たま」と呼ぶ人もいた。
誰からも名前をもらって、
誰のものでもなく、みんなの猫だった。
そんなあくびんが、
娘が11歳になったある日、ふっと姿を消した。
探しても見つからない。
けれど、
町のどこかにまだいるような気がして、
私はいまも、屋根の上を見上げてしまう。
あくびんはきっと、
この町の“ハテナ”を知ってる猫になったんだと思う。

なんでもしってるにゃ。

これから道案内よろしくね。
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